歯列矯正治療には、歯に表側もしくは裏側にブラケットという装置を装着して、ワイヤーを通して引っ張りながら、徐々に力を加えて歯を動かしていくブラケット矯正治療や、透明なマウスピース型の装置を装着して、定期的に動いた歯に合わせて新しいマウスピースに交換しながら歯を動かすマウスピース矯正があります。歯並びや噛み合わせをきれいに整えることができる矯正治療ですが、近年では、矯正治療後に仕上げのホワイトニングを希望される方が増えています。矯正治療後のホワイトニングはどのようにしておこなうのが良いのでしょうか。ご説明いたします。
矯正治療後のホワイトニング
ブラケット矯正治療の場合
矯正治療をおこなう歯並びは、様々な不正咬合（悪い噛み合わせ）であることから、歯磨きの際に歯ブラシが届きにくい箇所ができてしまうので、磨き残しが多くなってしまい、汚れや細菌が溜まりやすいのですが、ブラケット矯正は歯にブラケットとワイヤーの装置が固定されていることにより、食べカスが器具に挟まりやすかったり、歯磨きの際も器具と歯の隙間などに歯ブラシがうまく届かないため、歯磨きがさらにしづらくなってしまいます。そのため、汚れや細菌が溜まってしてしまうことで、虫歯になるリスクが高くなってしまうことが多いです。
矯正治療中は定期的に口腔内をチェックするため虫歯の予防もおこなっているのですが、矯正後に装置を外した際に、装置を付けていた歯の部分が、虫歯の手前や虫歯になっている場合もあります。その状態でホワイトニングをおこなうと、薬剤がしみるだけでなく、歯にとっても良くありません。この場合、矯正治療を終えてから、まず虫歯を治療してからホワイトニングをおこなうという順番が望ましいでしょう。また、ホワイトニングは定期的におこなわないと白さが後戻りしてしまうため、ブラケット矯正前にホワイトニングをおこなっていると、治療期間中に白さが後戻りしてしまいます。そのため、矯正治療で歯並びをきれいに整えたあとに、オフィスホワイトニングで一気に白くし、ホームホワイトニングで白さを持続させることが費用の面を考えても一番理想的といえるのです。しかし、どうしてもブラケット矯正治療をおこないながら、同時に歯も白くしたい場合、歯の裏側にブラケットを装着する裏側矯正（舌側矯正）でしたら可能な場合があります。
ホワイトニングをお考えの方は、治療前に大分県の歯科医院に相談して頂くことをお勧めいたします。
マウスピース矯正治療の場合
マウスピース矯正治療の場合、治療後ではなくても、治療と同時にホワイトニングをおこなうことが可能です。
歯科医院でおこなうオフィスホワイトニングと、自宅でおこなうホームホワイトニングがありますが、どちらも可能です。ホームホワイトニングの場合、専用のマウスピースの中にホワイトニング薬剤を流し込み、１日２時間ほど装着して歯を白くしていきます。マウスピース矯正をおこなっている場合は、矯正用のマウスピースにホワイトニングの薬剤を流し込み、通常と同じようにマウスピースを装着します。マウスピース矯正は、ホワイトニングと歯列矯正を同時におこなうことができるため、人気が高い治療方法です。
しかし、ホワイトニングの薬剤には濃度があるため、歯科医師から指示された時間を守らないと、歯の中にまで浸透してしまい痛みを伴うため、指示された時間を超えないようにするよう注意が必要です。一度マウスピースを外し、歯とマウスピースに付着した薬剤をしっかりと落としてから、再び装着しましょう。
ホワイトニングができない場合がある
体の状態や口腔内の状況によっては、ホワイトニングができない場合があります。ホワイトニングが可能かを判断してもらうためにも、大分県のかかりつけの歯科医院で診てもらいましょう。
虫歯がある
オフィスホワイトニングは虫歯部分を保護しながらおこなうことも可能ですが、ホームホワイトニングはできません。また、薬剤がしみる場合がありますので、虫歯がある場合は事前に歯科医院に相談しましょう。
妊娠中の方
妊娠中はホルモンバランスが大きく変化するため、ホワイトニングで使用する薬剤が母体や胎児に何らかの悪影響を及ぼしてしまう可能性もありますので、妊娠中のホワイトニングは控えましょう。
重度の不正咬合
重度の不正咬合の場合、歯列にマウスピースが装着できない場合があります。その場合はホームホワイトニングはできません。
未成年
未成年は発育途中のため、歯の組織が形成されきっていないので、歯の表面のエナメル質も不完全な状態です。この時期に歯を漂白する薬剤を塗布すると、今後の歯の発育に影響する恐れがあるためホワイトニングはできません。
無カタラーゼ症の方
無カタラーゼ症の方は、ホワイトニング薬剤に含まれる過酸化水素を体内で分解することができません。そのため、過酸化水素が有害物質として体内に残ってしまうので、ホワイトニングをおこなうことはできません。