矯正歯科治療は、歯に矯正装置を装着することで、外部から圧力をかけて本来あるべき位置まで歯を動かす治療です。矯正治療は悪い歯並びや噛み合わせを正しい位置に整えることができるため、様々なメリットがある治療法です。しかし矯正治療を受けたいけれど、痛みが心配で治療に踏み切れない方も多いと思います。そのため、矯正歯科治療にはどのような痛みがあるのかを知ると同時に、痛みの原因と対処方法も分かることで矯正歯科治療への安心感にも繋がるのです。
矯正歯科治療の痛みの原因と対処法
歯が動く痛み
矯正歯科治療は、歯に矯正装置を装着することで歯に力を加えて歯を動かします。歯と歯の周りの骨が動く際には、歯の根元にある歯根膜に炎症が起きるため、痛みを生じます。矯正装置を装着した数時間後から痛みが発生し、１週間程度で少しずつ痛みが落ち着いてくる場合が多いようです。
この痛みの対処法は、鎮痛剤の服用である程度はおさまりますが、炎症を抑える働きもある鎮痛剤は、歯が動きにくくなってしまうこともあるため、できるだけ鎮痛剤に頼らないほうがいいでしょう。しかし、どうしても我慢できない場合は、痛みのピーク時に１日１回程度服用することは構いませんが、あまり服用しすぎるのは避けるようにしましょう。
食べるときに痛む
矯正治療中は痛みのために食事ができないことがあります。中でも硬い食べ物は噛むことができないほど痛むこともあります。
食事の際に起こる痛みには、食材の調理の仕方を工夫することで軽減できます。口に入れやすい大きさに切って、片栗粉などでとろみをつけたり、硬い食材は噛みやすくなるよう、煮たり蒸したりして食べやすくしましょう。その際に、加熱すると逆に硬くなる食材もありますので注意しましょう。また、柔らかい栄養のある食材を選ぶこともお勧めです。魚や魚卵、ヒレ肉やササミ、挽肉やレバーなどが良いでしょう。ただし、刺激の強いものは痛みが増す可能性もあるため注意してください。
口内炎などの口腔内の炎症による痛み
矯正装置を装着していると口腔内で摩擦が生じるため、口や唇などの粘膜を傷つけてしまうことがあります。そのため口腔内に口内炎ができやすく、痛みを感じることが多くなり、食べ物や飲み物がしみることがあります。
口腔内の炎症による痛みには、ビタミンB2を多く含む食事や、場合によってはサプリメントを摂取することをお勧めいたします。矯正装置を装着していることで、食事の際に食べ物が噛みにくくなっていることも、粘膜を傷つける原因になるため、食べる食材にも気をつけましょう。
装置による痛み
矯正装置の種類によって差はありますが、ブラケット矯正で唇側矯正の場合は、装置が頬の内側に接触しやすいので口内炎の痛みを感じやすくなります。歯の裏側に矯正装置を装着する舌側矯正の場合は、舌に当たりやすいため舌が痛むことがあります。
装置による痛みの対処法は、矯正装置が擦れて痛みを感じる場合にはワックスが効果的です。ホワイトワックスという粘土を塗って摩擦を抑えます。もしも飲み込んでしまっても体に問題のない成分なので、安心してご使用頂けます。慣れてくるとワックスを使わなくても良くなる方がほとんどです。
装置が外れて痛む
ブラケット矯正のブラケットが外れてしまうと、歯茎に当たり痛みます。八重歯のブラケットが外れた場合、ブラケットのフックが唇に擦れてしまい痛みやすいでしょう。ワイヤーが飛び出てしまうことで痛みを感じる場合もあります。他には、バンドの上部分が欠けたり、剥がれてしまうことで舌などに当たり、痛むことがあります。
装置が外れて痛む場合、装置の調整や修理が必要になりますので、大分県のかかりつけの歯科医院へ行きましょう。
抜歯による痛み
矯正治療は、症状によっては抜歯が必要な場合があります。抜歯する歯によって痛み方が異なり、乳歯や真っ直ぐに生えている永久歯を抜歯した場合は、麻酔による痛みがある程度で鎮痛剤で抑えることができます。しかし、歯茎に埋まっている親知らずなどの抜歯の場合、歯茎の切開や骨を削る必要があるので、強い腫れや痛みが３日～１週間ほど続きます。
抜歯による痛みの対処法は、抜歯をした後はなるべく安静に過ごしましょう。歯茎の切開や骨を削り抜歯をした場合は、処方された鎮痛剤を服用して様子を見ましょう。もしも痛みが引かない場合や、我慢できない場合は無理をせずに大分県のかかりつけの歯科医院に連絡するようにしましょう。
精神不安を原因とした痛み
矯正治療は歯槽骨に炎症を起こしながら歯と骨を移動させる治療ですが、ストレスや精神不安が加わることで、痛みが増すこともあるようです。矯正治療中の痛みは今まで経験したことのないものであるため、痛みがいつまで続くのか、この痛みは正常なのか、などの痛みに対する不安を抱くことで、さらに痛みを大きく感じてしまうこともあります。
精神不安を原因とした痛みには、矯正治療のことをより知ることで痛みを回避することも可能です。治療に対する不安やストレスからくる痛みも、医師とのコミュニケーションをしっかりとおこなうことで解消することができるのです。そのため、矯正治療を受ける前や治療中は、歯科医師とカウンセリングの時間をしっかりとって、治療に対する心配や不安などを取り除くようにすることが大切なのです。