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歯が動く仕組み

歯が動く仕組み

歯列矯正治療は、主に歯の表面にブラケットという装置を装着し、ワイヤーを通して引っ張ることで、歯に少しずつ力を加えていき、歯を正しい位置に動かしていくブラケット矯正治療と、透明のマウスピース型の装置を歯に装着して、10日〜2週間ごとに動いた歯に合わせて新しいマウスピースと交換しながら、徐々に歯を動かしていくマウスピース矯正治療があります。これらの矯正治療ですが、どのようにして歯が動いているのでしょうか。歯が動く仕組みをご説明いたします。

歯が動く仕組み

歯の基本的な構造

歯の周りには、歯槽骨という歯を支えるための骨があります。さらに、歯槽骨と歯の根っこの部分である歯根の間には歯根膜という弾力のある薄い膜があります。歯根膜は、食事の時に食べ物を噛む力がかかる時などに、歯にかかる衝撃を和らげるクッションのような働きをしています。この歯根膜が、矯正治療で歯が動く時にも重要な働きをするのです。

矯正装置による歯の移動

矯正装置を装着することによって、歯とその周囲に力がかかり始めると、その力が歯根膜に伝わり、歯根膜が収縮します。その際に、歯が動く方向側の歯根膜は縮み、反対側は引っ張られるため歯根膜が引き伸ばされるのです。歯根膜には、一定の厚さを保とうする性質があるため、歯根膜の厚さに変化が生じると、歯根膜に接した骨に変化が起こります。力によって歯根膜が引っ張られると、元の厚さに縮もうとして、骨を作る細胞である「骨芽細胞」の働きが活発になり、伸びたスペースに新しい骨が作られます。逆に歯根膜が縮んでしまうと元の厚さに伸びようとして、骨を溶かす細胞である「破骨細胞」の働きが活発になり骨が溶けて壊れます。この「骨芽細胞」と「破骨細胞」の働きによって、歯根膜が元の一定の厚さに戻ります。このことを「骨代謝」といい、歯が動く仕組みは骨代謝が繰り返されることによるものなのです。

歯科医師の力の調節

歯が1ヵ月に動区ことのできる限界は、0.5mm〜1mm程度といわれており、ゆっくりと動いていきます。ブラケットやマウスピースの場合、器具の摩擦力が働くため、器具による摩擦力も計算に入れながら、歯に必要以上の力をかけ過ぎないように調節しながら、長期的に考えて歯を動かしていきす。歯科医師が力の調節を適切におこなうことよって、骨代謝を起こし、無理なくきれいな歯並びになるように動かすことができるのです。

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