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不正咬合の種類

不正咬合(悪い歯並び)の分類

歯列不正を分類すると、①叢生(そうせい:ガタガタ)、②上顎前突(出っ歯)、③下顎前突(受け口)、④開咬(前歯が噛まない)、⑤空隙歯列(隙っ歯)に分かれます。

①叢生

6人シートに8人が座っているような歯が重なり合うようにして生えている状態を叢生と言います。日本人に最も多く見られるのですが、歯に比べて顎が小さ過ぎる為、歯が並ぶ顎のスペースが足りなくなった状態です。

顎が未発達な子供の時期は顎の大きさを広げることにより歯を抜かずに矯正する事が多いのですが、中学生以上は通常歯を抜く事で、歯の本数を顎の大きさに合わせて歯並びを調整します。

②上顎前突(出っ歯)

上顎前突とは、上顎が成長しすぎた、或いは下顎が未発達で、上顎が下顎より出ている歯並びの事です。通称「出っ歯」は日本人に非常に多くみられます。治療としては、顎が未発達な子供の場合は顎の大きさを広げる事で、歯を抜かずに矯正しますが、中学生以上は通常歯を抜く事で、歯の本数を顎の大きさに合わせて歯並びを調整します。

上顎前突の人は口で息をする癖や、舌で前歯を押す癖等の悪い癖を治すトレーニングが必要な場合もあります。トレーニングや装置で歯を動かして歯槽骨が落ち着くまで少し時間がかかります。その落ち着く前にせっかく移動した歯を舌が恒久的に押す癖があっては歯並びを直した意味がありません。

③下顎前突(受け口)

下顎前突とは、上顎が未発達か、或いは下顎が成長しすぎかで、下顎が上顎より出ている歯並びです。下顎が成長しすぎると、顎が長くなるので特に女性は気にする人が多いようです。この場合も歯を抜いて矯正する事が多いのですが、中学生以上で下顎が成長しすぎて重度の下顎前突の場合は、下顎の骨を手術で切って後ろに下げる外科矯正が必要な場合もあります。

外科矯正の場合は症状によっては、健康保険が適用となる場合もあり、治療期間も短縮されます。但し、大がかりな外科的手術となりますので、大学病院又は一部の専門医でしか治療できません。

④開咬(前歯が噛まない)

開咬とは、奥歯は噛んでも、前歯はかみ合わない状態です。故に、前歯で物を噛み切れず、前歯に隙間ができる事で正しい発音がしにくかったりします。

この場合も歯を抜いて矯正する事が多くなります。

⑤空隙歯列(隙っ歯)

小児矯正の場合は永久歯が生えて来たらこの隙間は無くなる場合がありますので、矯正せずに様子を見ます。乳歯の時にこの隙っ歯を矯正してしまうと、永久歯が生えてきた時にスペース不足で叢生や上顎前突を招いてしまう事があるからです。既に永久歯が生えそろった場合でも、隙間があっても見た目が気にならないなら問題ないのです。

どうしても気になるなら、矯正で隙間を閉めたり、付け爪ように歯の表面に貼る「ラミネートベニア」や、レジン(プラスティック)を歯に足して歯を大きくする「ダイレクトボンディング」という対応方法があります。

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