厚生労働省の発表によると、全国の歯科医院は約68,500軒(2019年)あり、この数はコンビニの数よりも多いといわれています。そのため、どの歯科医院で治療をおこなえばいいのか分からないという方も多くいらっしゃいます。安心して治療をおこなうためにも、信頼できる歯科医院を選ぶことが大切です。良い歯科医院を見分けるポイントをご説明いたします。
良い歯科医院を見分けるポイント
治療内容や治療方法などの説明を事前にしっかりとおこなっている
治療前のカウンセリングにおいて、医師が患者さんの心配事や悩みなど、どんな小さなことでもしっかりと聞いてくれて、それに対しての説明をわかりやすく丁寧に教えてくれる歯科医院は、良い医院だといえます。さらに、検査結果を基にした治療計画や治療にかかる期間や費用なども、しっかりと患者さんが納得するまで説明をおこない、その際にメリットだけでなくデメリットも詳しく説明してくれる医院は信頼できるといえるため、安心して治療を受けることにも繋がります。逆に、詳しい説明もなく治療を進めようとする歯科医院は、後になってトラブルが起きてしまう可能性もあるので注意しましょう。
徹底した衛生管理をおこなっている
歯科治療は患者さんの口内に器具など入れておこなうことから、使用する器具の滅菌処理をおこなわないと院内感染などを引き起こしてしまう危険性があります。そのため、衛生管理の徹底がおこなわれていることがとても重要で、医院によっては専用の手術室を完備していたり、治療で使用する器具はすべて専用の機械で滅菌処理をおこなっていたり、使い捨ての可能な口をゆすぐコップや患者さんが使用するエプロン、歯科医師や歯科衛生士が使用するグローブなどは患者さんごとに新しいものに交換するなどして、衛生管理を徹底しているところもあります。このような歯科医院は、安心して治療を受けることができるので、良い医院だといえます。
治療後のメンテナンスなどをおこなっている
虫歯や歯周病などの治療前にしっかりと治療内容を説明してくれるとともに、定期健診やメンテナンスをおこない、治療が終わった後のことまできちんと考えてくれる歯科医院は、患者さんの口腔内の健康を親身になって考えてくれているため、良い医院であるといえます。また、口腔内は日々変化しており、虫歯や歯周病は症状が一度治まっても細菌感染によって再発してしまう可能性があるので、定期健診はとても大切です。虫歯や歯周病を防ぐための「予防歯科」に力を入れている歯科医院は信頼できるといえます。
予約制である
待ち時間が長すぎる歯科医院は、患者さんの診療時間をしっかり確保していない可能性があるため、注意が必要です。そのため、予約制になっており、時間に余裕を持って治療をおこなっている医院のほうが、より安全で正確な治療を受けることができる場合が多いです。
セカンドオピニオンも大切です
歯科診療において、患者さんの要望や口腔内の状態に合った治療を受けるためには、様々な選択肢の中からどの治療方法がもっとも適しているかを選択し、治療計画を立案することが重要です。しかし、歯科医師の治療方針や医院設備、治療技術などに左右されることから、どこの歯科医院でも同じ治療方法になるとは限りません。また、歯科医師によって得意分野が異なることもあるので、同じ症状でも別の治療計画を立案できる場合もあります。そのため、もしも医院での診断に疑問を持った場合や、治療方針に納得できない場合は、セカンドオピニオンを検討することも大切です。セカンドオピニオンによって治療内容の知識が深まったり、自分に合う治療法の選択肢が広がるといったメリットがあることから、患者さんご自身が納得した治療をおこなえることにも繋がるのです。
定期的に歯のクリーニングをおこないましょう
虫歯や歯周病を予防するためには、まずは毎日おこなうご自身での歯磨きなどのセルフケアが大切です。食事後に正しいケアを適切におこなうことで、食べカスや歯垢(プラーク)などの磨き残しが少なくなり、口腔内を清潔に保つことができます。しかし、ご自身でのセルフケアだけでは、口腔内のすべての汚れをキレイに取り除くことはできません。そのため、定期的に歯科医院での歯のクリーニングをおこなうことが必要なのです。
歯のクリーニングでは、ご自身で除去できない歯石をスケーラーという器具を使用して除去したり、歯科医師や歯科衛生士が専用の機器を使用しておこなう「PMTC」によって、歯周ポケット内の歯石や、細菌の集合体である「バイオフィルム」もキレイに除去することが可能です。さらに、食べ物によってついた着色汚れを取り、仕上げにフッ素塗布をおこなうことで歯垢が付着しにくく、虫歯になりにくい強い歯にします。また、口腔内の状態を確認をおこなった際に虫歯や歯周病などが見つかることも多く、早期発見・治療に繋がります。