歯列矯正治療の治療方法は、主に歯の表側もしくは裏側にブラケットという装置を装着し、ワイヤーを通して歯を引っ張ることで歯を正しい位置に動かしていくブラケット矯正治療と、透明のマウスピース型の装置を歯に装着して、10日〜2週間ごとに動いた歯に合わせて新しいマウスピースと交換しながらゆっくりと歯を動かしていくマウスピース矯正治療があります。
ブラケット矯正治療の場合は、装置を一度装着してしまうとご自身では取り外すことができないため、歯磨きの際は矯正装置を付けたままおこないます。矯正装置をつけたままの歯の磨き方は、通常の歯磨きとは全く勝手が違うものになります。さらに歯と矯正装置の間には、食べカスなどの汚れが溜まりやすいため、普段の歯磨きよりも入念に磨く必要があり、時間も長くかかってしまいがちです。しかし丁寧な歯磨きを怠ってしまうと、虫歯や歯周病になるリスクが高くなってしまうため、注意が必要です。
歯列矯正中の歯の磨き方
歯ブラシの選び方
矯正装置を装着している歯は、色々な角度から歯ブラシを当てないといけません。歯ブラシのヘッドが大きいものだと、ヘッドが装置に当たってしまい隅々まで磨くことができないので、ヘッドがコンパクトな歯ブラシか、矯正専用の歯ブラシを選ぶようにしましょう。またブラケットを装着しているため、どうしても歯ブラシを当てにくい部分もあります。その場合、ヘッドが小さいタフトブラシを使用することで、複雑なブラケットや、歯と歯の間などをきれいに磨くことができます。さらにデンタルフロスを併用することもお勧めです。
歯磨きの仕方
矯正装置のブラケットの上下のくぼみには特に食べカスが溜まりやすいため、ブラケットの周りを磨く際は、歯に対し歯ブラシを斜め45度で当てることを意識して、ブラケット上下の汚れをしっかり落としましょう。その際、歯全体を一度に磨こうとせず、必ず上下を分けて一本一本の歯を丁寧に磨くようにしてください。また歯と歯の間は、歯ブラシを縦に当てて磨きましょう。ブラケットと歯との間を磨くためには、歯ブラシの先端を上手に使う必要があります。さらに歯と歯の間は、歯ブラシでは除去しきれない場合もあるため、歯間ブラシやデンタルフロス、ヘッドの小さなタフトブラシなどを併せて使用するとより効果的です。歯と歯茎の間の汚れは、ブラケット周り同様に歯ブラシを斜め45度に押し当て、ブラシを小刻みに振動させて磨きましょう。
矯正治療中の歯磨きの方法は、歯科医院によっても違います。そのため、大分県のかかりつけの歯科医院によるブラッシング指導を受けるようにしましょう。
表側矯正(唇側矯正)の歯磨き
ブラケットを歯の表側に装着している場合は、通常の歯ブラシでは十分に汚れを落としきれません。そのため毛先の細い矯正用歯ブラシを用いることで、矯正装置と歯の間に入り込み、汚れを落とすことができるためお勧めです。また、矯正用歯ブラシには毛束が山形のタイプと谷型のタイプがあります。矯正装置に負担をかけたくない場合は、谷型タイプの中央部を矯正装置に当てながら磨き、複雑な矯正装置などの細かい箇所を磨く場合は、山形タイプの歯ブラシを使う、というように使用箇所によって歯ブラシを使い分けるとより効果的です。歯ブラシを当てにくい部分には、タフトブラシを使用するといいでしょう。
裏側矯正(舌側矯正)の歯磨き
裏側矯正は、ブラケットを歯の裏側に装着する治療法です。裏側矯正は表からは装置が見えないため、慣れるまでは歯磨きがしづらいです。さらに磨き残しも増えてしまうため、より丁寧な歯磨きが必要となります。歯磨きも、通常の歯ブラシでは歯の裏側にある汚れを落としきることは困難なため、矯正装置部分はヘッドがコンパクトなタフトブラシを使用して、一本一本の歯を丁寧に磨くようにしましょう。
定期的に歯科医院でクリーニングをおこないましょう
定期的に大分県のかかりつけの歯科医院でクリーニングをおこなうことで、虫歯や歯周病のリスクを減らすことができます。ブラッシングに多くの時間を割けない方や、上手く歯磨きができない方には特にお勧めです。歯科医院によっては矯正費用の中にクリーニング料金が組みこまれている場合があるため、事前に必ず確認するようにしましょう。また、クリーニングの内容も歯科医院によって違いますが、一般的には虫歯や歯周病などの口腔内のチェックや、スケーリングでの歯垢や歯石除去、さらに専門器具を使用するPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)によって、ご自身では取り除くことができない、歯茎の中の歯垢や細菌の集合体であるバイオフィルムなどをきれいに取り除くことができます。他にもフッ素塗布や歯磨き指導などをおこないます。
まとめ
矯正治療中の歯磨きは、手間や時間がかかってしまいます。しかし矯正治療中に虫歯や歯周病になってしまうと、新たな歯のトラブルの原因を作ってしまうことになります。そのため、正しい歯磨きの方法を身につけ、適切な道具を使用ながら歯磨きをおこない、矯正治療中も歯を清潔な状態に保つことが大切なのです。